現在の閲覧者数:

目的達成の為には我慢2007年10月09日 23時59分59秒

朝起きた瞬間から、「あーこれはダメだ。お医者に行こう。」という喉になっていました。たぶん風邪。

わたしのホームドクターは、わたしが生後3ヶ月くらいから、診ていただいているドクターで、もう、80歳ちかい先生です。だから・・・・・・と言っては失礼だけど、たぶん、治療方法もちと古い(ごめんなさい、先生)と思うのです。
風邪のときは、お風呂に入ってはいけないとおっしゃる。けど、いつも守れないわたし。そういうわたしをよくよくご存知なので、診察室を出る前に、もう一度後ろからわたしに声をかけるドクターなんです。

ドクター「お~い、○○○ちゃん、お風呂はダメだよーー。」
わたし 「はーーーい。」と気のない返事。

でもって、お風呂は禁止されながら、プールはダメと言われていなかったのをよいことに、夜、最後の千駄ヶ谷の東京体育館プールへ。どっちにしても、誰に何を言われても、今日で終わるものを、欠席できないもの。

この10日間、本当にイヤだという気持ちで泳いでいました。毎日替わる指導員も、替わるだけに、安心できませんでした。ただ、今日までの9日間は、初対面で感じたよりも、熱意のあまり、感じの悪い口調になったり、愛情のあまり、厳しくなったりするのだと、努力すれば良く解釈できるもので、それはそれで、納得がいくものでした。だから、今日の指導員、日本水泳指導員協会・指導員養成委員のMという女性指導員が担当になったときも、コワそうな感じはしたのですが、あとから、きっとこの感じは払拭されるだろうと思っていました。

体調が悪いとき泳いではいけないのは、自分だけでなく、他人に迷惑をかけないためにも、大切なことです。でも、ちょっとの悪い体調で、しかも、この講座が今日で最終日で、今日受講しなければ、終了証がもらえず、そうした場合、基礎水泳指導員検定試験の受験資格が得られないとしたら、やっぱり受講します。水泳中、倒れるほどの体調でないにしても、しかし、もし、万が一、倒れたときの処置の参考にしてもらいたいという願いから、自己申告する義務はあるように思ったわたしは、M指導員にその旨を軽く伝えました。これは今までの指導員にも、そうでした。そういうばあい、指導員は、「自己管理ですから、無理しないようにやってください。」とおっしゃいます。ところが、

「わたしに何を言われてもねぇ~。(知ったことではないよ、あなたが出席する以上はね。)ただし、見学は認めません。」との返事でした。

この杓子定規な返事は、間違っているところはありません。確かにそうなのです。しかし、ひとつの目標に向けて頑張っている者への言葉として、大人の会話としては、首を傾げました。わたしが、今日が具合があまりよくないことを理由に、練習をちょびっとサボることがあるかもしれません、と言ったととらえた?もしかしたら、1本抜いて、プールのなかで見学させてもらうこともあるかもしれません、と言ったととらえた?そんな事だったら、わざわざ、具合が悪いのをおして、自分のホームプールでない汚くて古いところで、嫌な指導員に言いたい放題言われて、泳ぎに来ていませんよと言いたかったです。

今回の講習会で、競技規則というのを勉強しましたが、この科目を教えてくださった指導員の方が、「この競技規則は、競泳選手を守るための規則です、競泳では、性善説にたって考えるという原則があります、決して性悪説にたってはいけない」と繰り返し強調されておっしゃっていたのが印象的でした。これは、おそらく、競泳だけにとどまらず、水泳をする者の、共通した認識なのだろうと思いました。もちろん、すべての事柄に、性善説がいいとは思いません。けれど、水泳はこういう世界なのだと、わたしにはちょっとうれしくなった出来事なのでした。

そうしてみると、今日のM指導員は、性悪説にたって、わたしにこう答えたのでしょう。競技規則は、たしかに競技規則だけれど、その精神がこの指導員にはなく、ただ、泳ぎが上手なのか、生きる術だけで指導員になっている人なのだと思いました。近頃話題のスポーツでもよくいわれることですが、心技体というものの、「心」が、この指導員にはないのだということです。そうなると、欠点が見えてしまうもので、この指導員、プールで指輪をしていました。これは、当然、プールではご法度。しかし、この指輪を見て、わたしは、自分の考え方が、完璧ではないにしても、間違ってはいないだろうと想像でき、かえって安心しました。

せっかくの最終日、こんな指導員にあたってしまったのですが、目的は達成しました。先月22日から、わたしは、(財)東京都水泳協会が主催する、「基礎水泳指導員養成講座」に参加していました。理論の勉強、シゴキに似た水泳実習、心肺蘇生法実習、レポート5通、指導計画案の立案と実習などの単位を取得し、基礎水泳指導員検定試験の受検資格を得ました。
指導員になるつもりではないのです。わたしは幼い頃から競泳をしていたわけではないから、人に教えるなんていうことは考えたこともないし、実際できない。そうではなくて、わたしがどれだけ水泳によって、身も心も健康になっているのか、自分で確かめたかったし、挑戦したかったのです。