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フルーツケーキ2006年09月03日 22時08分55秒

ヒロ子先生のフルーツケーキ

わたしの母という人は、わたしが作るお菓子の一番のファンだったと言ってもよく、『時間があったらでいいから、何か作って。』とよく言ってくれていました。何がいいのか尋ねると、決まって『あなたが作るものはみんな美味しいから、何でもいいわ。でも、フルーツケーキが好き。』と。親とはこんなにもありがたいものなのに、リクエストの何分の一も答えなかったことが悔やまれてなりません。母のお通夜の前の晩に、こんなことをしても何にもならないと思いながらも、泣きながらフルーツケーキを作り、母の棺にそっと納めたときの空虚な気持ちが忘れられなくて、その後、たくさん作っておいたミンスミートを前に、どうしてもフルーツケーキを自分の為に焼くことができずにいました。

今日、わたしの通うお菓子教室でアシスタントをしていたH先生が、フランス修行から一時帰国され、教室をなさるというので、行ってきました。そう、3月4日のこのブログでも書きましたが、写真のフルーツケーキを作ってくれた彼女です。今日のメニューの中には、このフルーツケーキがありました。わたしのようにミンスミートを入れるのではなく、フルーツ数種のチャツネを入れる、とてもおいしいものです。3月にこのケーキをいただいたときに、いつかこのケーキを習いたいと思ったのですが、こんなに早くチャンスがめぐってくるとは思いませんでした。

フルーツチャツネは2日がかりで作るとても手の込んだものでした。やっぱり手をかけると美味しいものができるのですね。

さて、ここでひとつ考えました。秋に向かって、そろそろフルーツケーキを焼いてみようかしらと。たかがお菓子ひとつなのですが、わたしにとっては、状況がそろってきているし、自分の気持ちも無理なく素直に入っていけそうなので。それに、フルーツケーキは、悲しい思い出ばかりではなく、このケーキを挟んで、たくさんの楽しい会話があったのです。そうだ!もうひとつありました。妹の結婚披露宴の引き菓子に、わたしが100本以上も焼いたケーキでもありました。いらしていただいたお客様は、みんな妹が焼いたと思っているのだけど。

もうすこし経ったら、フルーツチャツネを作って、美味しくできたら、Hさんのように通販しようかしら・・・・・・。

写真は今日の教室で作ったフルーツケーキ。飾りのマジパン細工は、今月末から彼女が働くフランスのアルザス地方にあるお菓子屋さんのもの。とてもリアルできれい。