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再検定で、ふと2008年02月09日 21時17分47秒

 今日は、基礎水泳指導員検定試験でした。昨秋、日本泳法の横泳ぎだけ残してしまった試験。あの頃は、一生懸命だったのに、昨暮から、いろいろなことをきっかけにどうしても意欲的になれなくなってしまったわたしは、このひと月半の間、ほとんど泳ぐことをせず、今日を迎えてしまいました。先日の検定試験申し込み時に、その時の講習会仲間にも偶然会って、泳いでないと言ったら、『とにかくプールへ行って泳ぎな。』といわれたのに。水着まで着たのに、結局やめてしまった日も一度ならずありました。

  朝9時から、千駄ヶ谷の東京体育館にある、短水路のプール。約4ヶ月ぶりでした。東京都水泳協会の講師の先生方は、あまり好きになれませんでしたが、ただおひとりだけ、わたしを励まし続けてくださったO先生がいらして、わたしを覚えていてくださり、今日、アップで泳いだとき、声をかけてくださいました。
『○○さん、絶対できるから!絶対。頑張るのよ。』
こんなに練習もせず、ここに現れて・・・・・・わたしはこの先生も裏切ってる。

 自分のせいかもしれない、あるいは、人のせいかもしれない、いづれにしても、わたしはヤル気をなくそうとしたわけじゃないのに、どうしてもヤル気になれなくて、ひと月以上、ロクな練習もせず、このプールにいました。アップはクロール75メートル、横泳ぎ20メートルを2回。それも仲間に促されたから泳いだわけで、それだけやったら、もういい、という気分になって、プールからあがってしまいました。検定試験に臨んで、こんな人間は、わたしひとりでした。いつもの自分に戻れないことも確かなのだけど、ココに来て、どう考えてもダメ人間のわたし。

 検定は、横泳ぎ再検定の3回目に泳ぎました。そんな投げやりとも思える気持ちのなかでも、体が引き締まり、顔がおそらく真剣になっているのがわかりました。泳ぐからには、きちんと泳ぐ、そう思って、仰向きの姿勢でスタートを待ちました。人によく言われるように、きっとおっかない顔してるんだろうな、わたし。最初の2あおり目まで、バランスをくずしました。あとは、たぶんうまくいったと思います。結局20メートルを10あおりで泳ぎました。最初のバランスくずしを、どう評価されるかが、合否の分かれ目のように思います。10時前には終わっていました。もう、どうでもいいという気分でした。

 あがって、更衣室で着替えているとき、今日、検定で着ていたわたしの一番好きな、ワインレッドの勝負水着(人に見せるという意味ではなく、文字通りの『勝負』水着だった)が、ちょうどおなかのところが薄くなっているのに気付きました。それを見た瞬間、『もういい。もう、水泳はいい。もう、頑張れない。』と思いました。泳ぐことと、それに付随するすべてのことによって、癒され、元気を取り戻していたはずが、いつのまにか、苦痛になっている、そう思ったとき、もう、引き時なのだと思いました。

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 わたしという人間に、もし、スイッチがあるとすれば、それはONとOFFなのではなく、『強』とOFFなのだと思います。水泳について言えば、これまで出た、数少ない大会でもそうでした。自分の出番までは、OFF。でも、それはヤル気がないのではないのです。そして、レースが近づいてある瞬間に急に『強』にスイッチが入る人間です。これは、自分でコントロールしているのではなく、わたしという人間がそういうペースなのです。仕事もプライベートでも同じ。スイミングクラブはホッとする場所だった。水中を泳いでいるとき以外は、わたしのスイッチはOFFでした。ボワ~んとなっちゃってた。仕事のとき、部下からコワいと思われているようで、その部下たちがプールにいるわたしを見たら、おそらく別人と思ったに違いない。ところがプールでは、イヤイヤ泳いでいるわけではないのに、誤解され、それが嫌でした。飛び込んで、真剣に泳いでいるときのわたしは、どうやら水泳仲間にはだれひとり理解されないままだったようでした。なんだか、そのことが、いまになってみると、いちばん残念です。それと、最も信頼していたプールの友人に、ある事について、『あなたが悪い。』と言われたことも、ずっと耳の奥に残っています。
プールでも、スイッチ『強』ですごさなければならなかったとしたら、それはわたしには、酷というもの。

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 終わって、どこにも寄らず、今日は逃げるように家に帰りました。もう、フラフラでした。とても空腹でしたが、食べたら、全部戻してしましました。これは病気ではなく、緊張による疲れ。

 先日、月曜日にある試験の2次試験を2つ受験したと書きましたが、今日、そのひとつから、合格の通知がありました。わたしは、まだ通知の来ないほうが第一志望なので、そちらからの通知を待って、先のことを決めたいと思っています。

 水泳をやめてしまおうと思っても、なんだか、すっきりせず、とても重い気持ちです。これでいいんだろうか、やめて、これから先、ちゃんとやっていけるんだろうか。さっき、那須にいる友人が、たまたま電話をくれたので、ちょっと話しました。『明日、おいで。』と言ってくれたけど、東京はさっきから雪が降ってる。栃木の那須も降っているようで、うまく東京を抜けたとしても、あちらの雪道を運転する技量も意欲もないわたしは、明日たぶん行かれないと思い、それもなんだかちょっと残念。こんな雪の美しい晩に、彼からわたしを気遣う電話もメールもなく、いま、本当に孤独を感じ、胸が押しつぶされそうな思いです。